• mikiynot

何もかも復活する復活祭

イースター(復活祭)の週末は、長い間のロックダウンを抜けて、デモが復活した日でもありました。


「キル・ザ・ビル」という、タランティーノの映画を連想するキャッチーなフレーズがプラカードに踊る、PCSC法案に対する抗議デモ。イギリスに住んでいる人によっては「キル・ザ・ビル」の二重の意味合いに抵抗感を感じる人もいるでしょう。私もその一人です。


だってビルは、イギリスでは「お巡りさん」という意味もある。BBCのお巡りさんドラマ「ザ・ビル」っていう番組が23年続いた人気番組だったくらいで、いわゆる警察官の俗語。法案はビルで、お巡りさんもビル。ダブル・ビルで思いついた人、閃いたっと思ったんでしょうね。デザインに使われている黄色と黒の色も、タランティーノっぽくて攻撃的。


これにはさらに三重の意味があって、それは先月の事件が関連しています。


33歳の女性が真夜中近くに、一人で公園を抜けて自宅に帰っていたところ殺害されるという事件があり、警察官の犯行だったのです。その「ビル=警察官」も連想させ、さらにさらに先月、その犠牲者の追悼集会が行われたところロックダウン中ということで、集団を散らすために警察が介入し逮捕者が続出。警察そのものへの反感が煽られ、PCSC法案への抗議運動に勢いがつき「キル・ザ・ビル」の今日に至るというわけです。


頭文字をとって言わないとすごーい長い法案名であるPCSC。Police, Crime, Sentencing and Courts Bill は、市民の抗議運動に対する警察の取り締まりに今よりも広い権限を与える内容。このところのBlack Lives Matter やExtiction Rebellionなどの抗議運動を「世間的迷惑」とし、他にも侵入、居座りなどに関する例えばジプシー(放浪コミュニティ)への規制など、300ページに及ぶ長い法案。


支持しているのは保守党で、労働党ほか野党は反対に回っています。しかし、法案を通そうとするエネルギーはすごく、このまま行くと大半の人が知らない間に通りそうになったところで追悼集会への警察の過度なリアクションが火種となり、今に至っているというわけ。


去年初頭から環境保護市民団体が働きかけ、緑の党議員が9月に提出したCEE法案(Climate and Ecological Emarency Bill)と比べてもスピード感あります。3月9日に公式発表されたばかりのPCSC法案が月内に第二読会まで行われ、2週間後には委員会審議手前までコトが運んでいたという、ロックダウン中で市民が身動きしにくい時に通してしまえというような勢いです。それに比べて、CEEは半年前から提出されているのに、第二読会もなされておらず。

(上は緑の党ルーカス氏が提出し11月2日に議会で公式発表されたCEE法案、4月5日時点でいまだに下院での第二読会が済んでいない)



(上は保守党のバックランド氏が提出し3月9日に議会で公式発表されたPCSC法案。4月5日時点で既に下院での第二読会まで終了)





当日は、XRやBLMだけではなく様々な考えを持つ市民が集まりました。バラバラな参加層に見えますが、共通して見えるものが一つ。


デモ参加者の年齢層がぐっと下がっている印象がありました。その理由として考えられるのは、コロナ禍の影響で年配者が密になる場所は避けていること。同じ理由で、長期のロックダウンにより外出が制限されていた、外に出たいお年頃の若者が多くなったのでしょう。



私はXRサンバチームのドラムで参加。ロックダウンで全く練習してなくて、バンドリーダーが出すハンドサインに一瞬???という時もたくさん。でも曲を手が覚えてるんですね、半ば自動的に叩いてました 笑

1時から4時までほとんどぶっ続けで叩いたので、昨日と今日は腕がだいぶしんどいわー


南はブライトン、北はノーフォーク、西はコーンウォールなどからドラマーが集まり、総勢50名はいたかも。

法案は「騒音」をもターゲットにしていて、明らかにサンバを念頭においていると。こりゃサンバも一大事ってことです。だいたい、静かな抗議運動って一体、どんなんやねん!意味ないやん!と突っ込みたくなります。


デモの人数は、実際はわからないけど2000人前後いたような印象。「Kill the Bill」は好きじゃないけど、「No Protest, No Progress」(抗議なしの進歩はなし)というプラカードがあり、それが一番しっくりくるようなデモンストレーションでした。


労働党の元党首ジェレミー・コービン氏のスピーチが行われているところ。かなり熱く、長く語っていました。若者に人気のあったコービン氏ですからね、今日は聴衆の年齢層もドンピシャで勝ち取りました。最初は見守り体勢だった労働党も、先月の一連の事件から方向を修正し、大方がこの法案に反対する姿勢をとっています。